症例は30代、女性の方。10代の頃より週2、3回頭痛を認め、最近後頭部の違和感が続くため当院を受診されました。
元々肩こりと肩甲骨周囲の凝りがあり、頭痛の程度は軽度から中等度で頭痛に伴う随伴症状も認めなかったため、普段の頭痛は緊張型頭痛と思われました。ただ、最近続いている後頭部の違和感がいつもと違い気になる、と言われたため、念のため頭部MRI(脳自体をみます、脳梗塞・脳腫瘍などが分かります)と頭部MRA(脳血管をみます、動脈瘤や血管狭窄などが分かります)を行いました。幸い検査では異常は認めませんでした。
よく話を聞いてみると、小さい子供が4人おり日中かなり慌ただしくされている様子でした。倦怠感があり、眠りも浅くささいな物音で目が覚めるため熟睡感がない、月経周期不規則、月経前後で吹き出物がでる、通年性の鼻炎症状がある、腰痛がある、便通がやや不良、などの症状があります。
診察してみると、手足の末端に冷えの所見を認め、お腹の臍周囲を圧迫すると痛みを訴え(お血の所見)、下腹部はやや軟弱(腎虚の所見)となっていました。舌をみると、やや暗赤色で辺縁が厚くなっており(肝うつの所見)、舌下静脈の怒張(お血の所見)を認めました。

以上より、気血の巡りをよくして自律神経のバランスを整えるために加味逍遥散とし、緊張型頭痛の改善を期待して葛根加朮附湯を合わせて処方しました。

2週間後に来られた時には、「よく眠れるようになった、物音で目が覚めにくくなって、目が覚めてもすぐ眠れる」と言われました。肩こりも改善しており、頭痛の回数も減って調子は良さそうでした。
再度診察してみると、肝うつの所見は改善傾向でしたが舌がやや腫れぼったくなっていたため(気虚の所見)、元気をつけるために前回処方に六君子湯を追加して処方しました。

このように、漢方薬はその時々の体調に合わせて薬を微調整していきます。この方もまだ2回しか診察していませんので、今後症状がぶり返したり新たな症状が出てくる可能性はありますが、少しずつ漢方薬で体調を整えていければと思っております。

*特殊な漢方用語についてはおいおい説明していきます。
*もちろん必要があれば標準的な西洋治療も行います。