みなさん、こんにちは。今回は抑うつや不安感に漢方薬を併用した症例です。
30代の女性が、気分の浮き沈みや息苦しさを訴えて来院されました。
話を伺うと仕事のストレスが強く、胸の痞え感、寝付きが悪い、下痢と便秘を繰り返す、動悸が強いなどの自律神経症状も認めました。
不安感や落ち込みに対しては、レキソタンという抗不安薬を処方し、自律神経症状に対しては漢方薬を処方する方針としました。
動悸がつらそうでしたので、苓桂朮甘湯エキスと甘麦大棗湯エキスを合わせて処方しました。この2つの漢方エキス剤を合わせると、苓桂甘棗湯という煎じ薬に近くなり、不安感から生じる動悸(漢方医学的には奔豚気*といいます)に効果があります。また甘麦大棗湯には、感情失禁や神経過敏(いわゆるヒステリー)、不安感からくる気分の変調に効果があります。
2週間後に来院したときには、落ち込みや不安感が楽になってやる気が出てきた、胸の締め付け感や動悸も軽減して良く眠れるようになった、とのことでした。もちろん、抗不安薬の効果と思われますが、漢方薬も症状軽減の一助となっていると思われましたので、いずれも継続投与としております。患者さんにとっても、漢方薬を内服していた方が安心感があるようです。
このように、気分の落ち込みや不安感などで当院を受診される方もいれば、頭痛やめまいを訴える方の中にも軽度のうつや不安を抱えている方もけっこうおられます。いずれにしても、漢方薬には自律神経を整える作用があるので、症状緩和のために積極的に併用するようにしています。
*奔豚気:豚がへそから胸にかけてはしってくるような異常感覚、いわゆる動悸
30代の女性が、気分の浮き沈みや息苦しさを訴えて来院されました。
話を伺うと仕事のストレスが強く、胸の痞え感、寝付きが悪い、下痢と便秘を繰り返す、動悸が強いなどの自律神経症状も認めました。
不安感や落ち込みに対しては、レキソタンという抗不安薬を処方し、自律神経症状に対しては漢方薬を処方する方針としました。
動悸がつらそうでしたので、苓桂朮甘湯エキスと甘麦大棗湯エキスを合わせて処方しました。この2つの漢方エキス剤を合わせると、苓桂甘棗湯という煎じ薬に近くなり、不安感から生じる動悸(漢方医学的には奔豚気*といいます)に効果があります。また甘麦大棗湯には、感情失禁や神経過敏(いわゆるヒステリー)、不安感からくる気分の変調に効果があります。
2週間後に来院したときには、落ち込みや不安感が楽になってやる気が出てきた、胸の締め付け感や動悸も軽減して良く眠れるようになった、とのことでした。もちろん、抗不安薬の効果と思われますが、漢方薬も症状軽減の一助となっていると思われましたので、いずれも継続投与としております。患者さんにとっても、漢方薬を内服していた方が安心感があるようです。
このように、気分の落ち込みや不安感などで当院を受診される方もいれば、頭痛やめまいを訴える方の中にも軽度のうつや不安を抱えている方もけっこうおられます。いずれにしても、漢方薬には自律神経を整える作用があるので、症状緩和のために積極的に併用するようにしています。
*奔豚気:豚がへそから胸にかけてはしってくるような異常感覚、いわゆる動悸