おおたけ脳神経・漢方内科クリニックの院長ブログ

鳥取市にある脳神経外科・脳神経内科・漢方内科の「おおたけ脳神経・漢方内科クリニック」院長ブログです。

みなさん、こんにちは。今回は生活習慣病について簡単に説明します。
生活習慣病は、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する症候群」と定義されています。
具体的には、肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症、大腸がん、歯周病などがあります。
とくに最近は、食事の摂取カロリーが多いことに意外ときづかずに、内臓脂肪の蓄積からメタボリックシンドロームになっている人が増えている印象です。
メタボリックシンドロームを放置すると、動脈硬化が進行して脳卒中や心筋梗塞を起こしやすくなったり、糖尿病が進行していろいろな合併症(目が見えにくくなる、手足がしびれる、腎臓が悪くなる)をきたしてしまいます。
このメタボリックシンドロームを予防するために、40歳から74歳までのかたは年に一度の特定健診を受けて、自分のからだの状態を確認するようにしましょう。
当院でも特定健診は随時受け付けておりますので、ご希望の方はご連絡ください。また、検診で異常を指摘されたけれど、かかりつけ医がいなくてどうしたらよいか分からない、という方でも相談にのりますのでご連絡ください

皆さん、こんにちは。
今回は認知症についておはなししたいと思います。
日本では人口の高齢化がすすみ、それにともない認知症の高齢者数も急増しています。65歳以上の高齢者における認知症および軽度認知障害(物忘れはあるが日常生活は自立)の方は、合わせて1,000万人を超えているともいわれています(人口の10%弱になります)。

認知症症状には、中核症状と周辺症状のふたつがあります。中核症状には記憶や学習障害、判断力低下、失語(言葉が理解できない・うまく話せない)、失行(服の着方やトイレの使いかたが分からない)、失認(見たもの、聞いたもの、触れたものが分からない)などがあります。これら中核症状に、不安、うつ状態、妄想、幻覚などの精神症状(周辺症状)が加わってくると、家族の介護負担が増えていきます。

認知症の診断には、物忘れが年齢による生理的なものか、あるいはアルツハイマー病などの病気によるものか、はたまた全く別の病気によるものか、の判断が重要になってきます。そのためには、患者さんの経過(病歴)をしっかり聞くことと心理検査(長谷川式簡易知能評価スケールなど)を行うことが最も大事ですが、一度は脳の画像診断を受ける必要があります。

例えば、60代の男性、数年前から物忘れの自覚があり、仕事でミスを指摘されていた。長谷川式スケールは24点(30点満点で20点以下が認知症)で、軽度認知障害の疑いになります。頭部MRIを撮影すると、
視床梗塞

左側の視床というところに小さい脳梗塞を認めました。これが軽度の物忘れの原因と考えられたため、このかたには血液サラサラの薬をはじめて、その後物忘れはすすんでいません。
その他、以前このブログで紹介した慢性硬膜下血腫などでも物忘れのような症状を認めることがあります。

このほかにも、認知症に似た症状をおこす病気がいろいろあります。
とくに、最近急に物忘れがすすんできたかたの中には、今回のように脳梗塞が隠れていることもあるので注意してください。

皆さん、こんにちは。
まだまだインフルエンザが猛威を振るっていますが、皆さんの体調はいかがでしょうか。
インフルエンザシーズンに熱が出ると、検査や薬を求めて病院に行かれることも多いかと思います。ただ、検査(インフルエンザ迅速抗原検査)や薬(抗インフルエンザ薬)にはちょっとした落とし穴があるので注意が必要です。

まずインフルエンザ迅速抗原検査は感度が低く、特に発熱初日はインフルエンザでも陽性になりにくいという特徴があります。だいたい、3人に1人ぐらいはインフルエンザでも陰性にでてしまいます。よって、検査で陰性でも、インフルエンザを疑わせるような高熱やインフルエンザ患者との接触があった場合は、抗インフルエンザ薬を処方する場合もあります。

次に抗インフルエンザ薬についてですが、現在2種類の経口薬(タミフル、ゾフルーザ)と吸入薬(リレンザ、イナビル)および点滴で投与する薬剤(ラピアクタ)があります。年齢や症状、基礎疾患などで使い分けるのですが、いずれの薬も「半日から1日程度早く熱が下がるかもしれない」程度の効果しかないといわれています(ただ高熱はしんどいですので、半日でも早く熱が下がればうれしいとの意見も分かります)。また、経口薬の消化器症状や精神症状、吸入薬の気道症状などの合併症も少なからず認めます。

日本において、実に全世界の75%の抗インフルエンザ薬を消費していると言われています。さすがに安易に使いすぎている印象がありますので、私自身に関してはできるだけセルフケアで頑張っていきたいと思っています。効果の程はわかりませんが、インフルエンザシーズンはビタミンCをサプリメントで多めに摂取し、ちょっとでも風邪症状を認めれば亜鉛が含まれる食品(純ココアや牡蠣)を食べ、自分で漢方薬を調節し内服します(それでもだめならすなおに抗インフルエンザ薬を使いますが・・・)。
でも、できるだけ抗インフルエンザ薬のお世話にならない生活(養生)を心掛けたいものです。

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