みなさん、こんにちは。今回はちょっと変わった名前のついた病気の症例です。

小学3年生の男の子。3年生になってから、人の顔が大きくみえたり小さくみえたりする。自宅でも学校でも同じようなことがおこり、30分から40分程度つづく。テレビでみた「不思議の国のアリス症候群」と同じ症状であったため、母親に相談して当院受診となりました。
頭痛の既往はありますが、発育に問題のない元気な男の子です。また、頭の中の病気を疑わせる神経症状なども認めませんでした。
これは、漢方医学的には有名なポロプシーといわれる症状で、不思議の国のアリス症候群とも呼ばれます。自分のからだやまわりの人や物が、大きくみえたり小さくみえたりゆがんでみえたりします。まるで童話でアリスが体験したような感覚がみられるため、このような病名がついています。
ポロプシーには苓桂朮甘湯という漢方薬が効果があるため、1日2回で処方しました。
2週間後に来院されましたが、漢方薬を飲み始めてから症状は一度もおこっていませんでした。1日1回に減らしてもう1か月分処方。その後も症状の再発は認めず治療は終了としました。
不思議の国のアリス症候群は成長とともに自然治癒しますが、苓桂朮甘湯がよくききます