みなさん、こんにちは。今回は頭痛の慢性化についてお話しします。

50代の女性が、頭痛と腰痛を訴えて来院されました。
頭痛は5年ほど前より、週に3回程度の頻度で続いていました。そのため、市販の鎮痛薬を一日おきに内服しています。そのほか、同時期より腰痛も続いており、整形外科や整骨院に通っているがなかなかよくならない、とのことでした。
頭痛に関してはひどい肩こりを認めましたので、緊張型頭痛の慢性化をきっかけとした薬物乱用頭痛と判断しました。薬物乱用頭痛になると、脳が痛みに対して敏感になってしまい頭痛の回数がふえ、痛みをおさえようとして薬の量がふえていく、という悪循環になってしまいます。
この方には、慢性化した頭痛に効果のあるアミトリプチンという予防薬を開始し、頭痛発作時にはロキソプロフェンを内服してもらうように説明し、長年飲み続けてきた市販薬は中止するように説明しました。
腰痛に対しては漢方薬大防風湯エキス疎経活血湯エキス)を開始しています。
2週間後に来院したときには、頭痛はほぼなくなってロキソプロフェンを飲むこともなかった、とのことでした。腰痛も軽減している様子でした。比較的長期間頭痛が続いていましたので、もうしばらくアミトリプチンは継続する予定です。

このように、慢性化した頭痛には予防薬がありますので、お困りのかたはご相談ください。私の印象としては、週に2回以上頭痛があれば予防薬を内服したほうがよいのではないかと思っています