みなさん、こんにちは。今回はちょっとめずらしい頭痛を紹介します。

40代女性。3週間前からつづく頭痛で当院を受診されました。頭痛は2日に1回の頻度でおこり、今朝はとくに頭痛が強かったとのことでした。近医で痛み止めを処方してもらっていましたが、効果がないようです。
頭部MRIを撮影すると、脳腫瘍や脳出血などの異常は認めませんでしたが、脳血管に多発性の血管れん縮を認めました。
血管攣縮1

これは可逆性脳血管れん縮症候群といわれる病態で、脳血管が収縮することによって急性の激しい痛み(雷鳴頭痛といわれ雷でうたれたような強い痛みのことが多い)をおこします。入浴や排泄、性行為などが引き金になることがあり、最近では違法薬物などが原因のこともあります(原因不明のことも多いです)。
ながびく頭痛の原因が分かり、ご本人さんは安心された様子でした。治療としては、血管拡張作用のある塩酸ロメリジンというお薬を処方しました。
1週間後に再診されたときには、頭痛は数回程度でかなり軽減していました。しばらくお薬は継続してもらい、1ヶ月後に再度MRIを撮影しました。
血管攣縮2

画像上、血管れん縮は改善していました。頭痛は消失しておりましたので、お薬は中止としております。

比較的めずらしい頭痛ですが、女性のながびく頭痛でときに見受けられますのでご注意ください。